ベルト穴がなく、自分のお腹に最もフィットする位置でベルトを締められる「無調整フリコベルト」に一枚革が登場した。イタリア製植物タンニンなめしの一枚革を使ったオーソドックスなデザインでビジネスにもカジュアルにも対応。ブラックとチョコの2色をラインアップしている。
特許取得の画期的な「無調整フリコベルト」を製造するのは、東京・浅草橋で皮革ベルト・小物の製造と、皮革の輸入、卸しも営むウィンズファクトリー。同社、田中博社長の革へのこだわりが生み出したオリジナルベルトで、特殊な構造のバックルでサイズを調節するため、いわゆるベルト穴がなく、どの位置でも留めることができる。
きっかけは、5年前、田中社長の長年の盟友で彫金師の梅津隆志さんが作った不思議なバックル。田中社長は「真ん中がやじろべえみたいにスイングするへんちくりんなバックル。穴がないベルトなら「てこの原理」を利用したフリーサイズのベルトもありますが、これはそれとも全然違う。早速試してみると、これがおもしろいアイデアだった」と振り返る。
フリコバックルにはベルト穴に通す金具がない。ベルトを剣先から通し、枠と「フリコ」の間から差し入れて反対側に流すといういたってシンプルな構造だが、自分のウェストにあった最適な位置にピタリと調節することができる。
「フリコベルト」にはもうひとつ利点がある。それはバックルがベルトの革を痛めないということ。そもそも「質のよい革をできるだけ長く美しい状態で使用してもらうにはどうしたらいいか」という思いから梅津さんが考え出した。
そのフリコバックルに通すベルトは田中社長こだわりのイタリアの植物タンニンなめし革。牛革を南米アルゼンチンに生育するケブラチョの木とアフリカに生育するミモザの木から抽出したタンニンで、ゆっくりと時間をかけてなめした高品質レザーだ。化学物質を一切使用せず、植物性タンニンのみでなめす革は使うほどに味が出てくるため経年変化を楽しめ、からだにも優しい。革の文化では歴史があるイタリア・トスカーナ地方を中心に、古来からの植物タンニンなめしの技術を受け継ぐ生産メーカーのみが所属する「イタリア植物タンニンなめし革協会」が認めたレザーだ。「この革は使い込むと最初のころとは別物の表情を見せてくれるのが面白い」と話す田中社長自ら、年に1度はイタリアの革生産メーカーをたずね、タンナーと話をしながらベルトなど革小物に最適な上質な革を仕入れてくるという。
お腹が苦しくなってもさりげなく微調整。メタボなお父さんに
構造は革新的だが、身に着けると不思議と見た目の違和感はない。ちなみに一般的なベルトを見てみるとほとんどのベルト穴は2.5センチ間隔でそれが5つ。つまり10センチの「幅」があるが、それは必ずしも自分の腹回りに気持ちよくフィットする位置にくるとは限らない。ところが、「フリコベルト」は、自分の落ち着く位置に簡単に微調整でき、たくさん食べ過ぎて腹が出てもバックルを外さずに、何気なくベルトをゆるめられる。
取材中、店に訪れた50代の愛用者に話を聞いてみた。
「使い心地はいいです。自分のおなかの具合に合わせて無段階に調節できるから、ベルトに締め付けられることなく適度に締められる所が気に入ってます。ベルト穴がひとつずれると穴が醜くなるけど、このベルトならそういうこともありません」
今回は、ウェスト周り100センチが目安の3Lサイズと、ウェスト周り105センチが目安の4Lサイズも用意。ビッグサイズのお父さんも、この快適さを体験してほしい。

- ベルトの裏側にはイタリア植物タンニンなめし革のこだわりを刻印

- 真鍮のバックルはフリコを利用した独自の構造

- グリーンの不職布袋に入れてお届けします

- 革の厚さによって止まる仕組みになっているため、革がこなれて柔らかくなると締りが悪くなる場合があります。その時はバックルのネジを外し、付属のパッチを革とバックルの間に貼り付けてご使用ください。
装着方法

- ベルトの剣先をバックルの片側に通す

- 「フリコ」の部分を伝いそのまま向こう側に流す

- ズボンのベルト通しにおさめて完了