良質な天然石を配合し、低温で焼成した人造砥石「Morihei 火シリーズ」。昭和8年創業の刃物と天然砥石専門の老舗卸問屋「森平」が試行錯誤を繰り返し、5年の歳月をかけて作り出したオリジナルの人造砥石です。

古来より日本には「砥ぎ文化」というものが存在します。刃を研磨する道具に、自然の山などから採掘する天然砥石が使われてきましたが、現在では採掘できる鉱山が減ってしまい、人工の研磨剤などを用いた人造砥石が普及しています。
天然砥石は研いだ後の鋭い切れ味や輝き、また長く愛用できる耐久性が特長。しかし天然砥石には個体差があるため、包丁に合った砥石を選ぶことは初心者には難しいとされます。
一方、人造砥石は品質が安定しており扱いやすく、価格もお手頃なのが魅力。しかし天然砥石に比べ、砥ぐ際に必要な水分を保ちにくく、また粒子が尖っているため、刃に傷がはいりやすいというデメリットがあります。
「納得のいく砥石をつくりたい」と森平の4代目店主小黒章光氏は、天然砥石と人造砥石の利点を組み合わせたオリジナルの人造砥石「Morihei 火シリーズ」を完成させました。

素材に良質な天然石を配合し、低温で焼成。研ぎ味は天然砥石に近く、鋼やステンレスにも対応できて、包丁だけでなくカンナやノミなどの大工道具にも使用できます。水をかけるだけで研ぎ始められ、余分な手間もかかりません。研ぎ傷が浅いので、刃先を痛めにくいのも特徴です。
「Morihei 火シリーズ」は荒砥から極細目の超仕上砥石まで数種類あります。仕上砥の#8000は刃先が非常に滑らかに仕上がる為、食材の切り口に艶がでます。仕上砥石を用いて研いだ包丁は非常に長く切れ味が続くようになります。※この仕上砥石は#6000 仕上砥で研いだ後に用いると効果的です。

また、研ぎ澄ますという言葉通り、砥ぐ姿勢や砥ぐ音で心を落ち着かせることも魅力の一つです。シャッシャッと響く音色とリズム感を出すのには練習が必要ですが、一度体験するとやめられなくなりそうな面白さもあります。その透き通った音色を忙しい毎日の癒しにしてはいかがですか。