日本茶を淹れる急須でコーヒーを。そんな発想を誰が思いついたのだろうか。焼き物で有名な常滑焼で仕上げた本品は、伝統工芸士「土平栄一」が常滑焼の良さを存分に引き出した逸品。コーヒーの粉はステンレスフィルターで漉すためフレンチプレスのようにコーヒーの旨味や風味がダイレクトに楽しめる。また、常滑焼特有の多孔質の表面は、渋みと雑味を吸収してくれる効果も期待できる。独特の発想で作り上げられた世にも珍しい「コーヒー専用の急須」は、簡単に淹れられ、お手入れも楽に済ませられるように形状や焼き方などにこだわっている。来客時などに驚きを与え、話題は尽きない。
コーヒーの美味しさを引き出す工夫と常滑焼
紙製のフィルターは微細な粉や雑味はカットするがコーヒーの旨味や油分なども吸収してしまいがちだ。この急須は120メッシュの微細なステンレスフィルターで漉すため旨味や風味がダイレクトに楽しめるように工夫。また、無釉薬の素焼きは木炭のように多孔質で、表面に無数の微細な穴が開いているため、まろやかなお茶を淹れるようにコーヒーの渋みや雑味を吸収してくれる効果も期待できる。常滑焼ならではの技術と工夫が詰まった急須なのだ。
簡単に淹れられ、簡単に片づけも
淹れ方は簡単。カゴ網フィルターに中~粗挽きの粉を入れ、お湯を少し回しかけて1分ほど蒸らす。後は飲む分のお湯を入れたら2~3分待ってからカップに注げば香り豊かで旨味のあるコーヒーが出来上がりだ。急須本体やフィルターの洗浄も容易で、カゴ網フィルターは繰り返し使えるため紙フィルターのように買い置きする必要もなくエコで経済的。
伝統工芸士「土平栄一」作
常滑焼・一心窯にて陶作に励みつつ数多くの陶芸展にて入賞を重ねる「土平栄一」。「土、焼き、形状、仕上げ、蓋」まで全てにおいてこだわりを持ち、熟練の技術で作品を完成させる。2009年には経済産業大臣指定・伝統的工芸品・常滑焼の伝統工芸士に認定され、作り上げた作品は完成度が高く、多くの賞を受賞するなどの実績を持つ。本品も、土平氏ならではの感性とアイデア、培った技術の結晶が作品に表現されている逸品だ。
土・・・よく焼き締り、無釉でも水が浸み込み難いせっ器質の土を使用
焼き方・・・強めの還元焼成により薪窯で焼いたような風合いを実現
仕上げ・・・触り心地がよく、温かみを出すためにくし目を施す
形状・・・尻漏れし難いように、注ぎ口を三角に