我々はかつて手で道具を使い、物を計り研究し多くの新しい発見をしてきました。
現代では多くのものがデジタル化され、必要な情報が瞬時にわかるようになりました。
それは便利さと引き換えに発見する喜びや経験を積む感動を手放すことになりました。
携帯というデバイスが日常のものになり、滑り過ぎていく時間を過ごす時代だからこそ、
確実に刻まれてゆく「時」を感じる時計が欲しかったのです。
田村 奈穂
DESIGNER 田村 奈穂 (Nao Tamura)
New York City, Parsons School of Design 卒、デザインコンサルティングSmart Designを経て独立。現在はニューヨークを拠点に、Artek, Pyrex, Nike など家具からプロダクトデザイン全般、Panasonic社のグローバル展開、Lexusのインスタレーションを手掛けるなど幅広く活動中。ミラノサローネサテリテ最優秀賞(イタリア)、IDEA 金賞(米国)、IF Design Award(ドイツ)、ADI Compasso d’Oro International Award(イタリア)他、国際的なアワードを多数受賞。
古い「秤(はかり)」のような文字盤
2層構造によりあえて深さを演出した文字盤と、細かい目盛をなぞるように時を刻む長い針は、古い計測器をイメージしています。デジタル情報の時代に流されることなく、長い針でしっかりと時を刻む、精緻ながらもレトロなたたずまいは、懐かしさと温かみを感じさせます。
「1/6 ワンシックス」
1秒間に6回時を刻む機械式時計の6振動の運針が、「1/6 ワンシックス」という名前の由来です。
ケースの6時位置のりゅうず
6時位置の大き目のりゅうずは、上皿秤の目盛りを合わせる調整ねじがモチーフになっています。昔の計測器が持つ、道具としての機能美へのオマージュです。その操作性の良さは、ウオッチへの愛着を高めてくれます。