藤栄 ニーチェアエックス 折畳みオットマン

　まるでハンモックに身をゆだねた時のような包み込まれる心地良さ。脚・腰・背中・首・頭が、座った瞬間に緊張から解き放たれるような、緩やかでいて、ハリのある座り心地。簡単に折りたたみができて持ち運べるから、リビング・寝室・書斎などあらゆる場所とシーンで穏やかな時間を過ごすことができる。
　日本の住環境で使われることを前提に徹底して無駄を省いたシンプルなデザインで、和室、洋室問わずライフスタイルに馴染んでくれる。
　人間工学に基づき幅・高さ・傾斜角度・曲線などを設計したニーチェアエックス。オリジナルのシート素材作りから製造・組み立てまで、日本の職人ならではの細かい気づかいが込められ、一品一品手間ひま惜しまず作られる。日本の誇りを体現した逸品だ。

　1970年に日本人デザイナー新居猛さんにより作られて以来、これまで世界各国で40年以上販売されている椅子の名作ニーチェアエックス。住環境など日本的な成り立ちを背景とし、置く場所を選ばないシンプルで美しく機能的なデザインと、日本製ならではの品質とくつろぎ感が愛されている。日本では1986年にグッドデザイン賞、1997年にロングライフデザイン賞を受賞。

　破格値の名作椅子と評されるニーチェアエックス。そのコンセプトは、高度経済成長がピークを迎えようとしていた1960年代後半という時代背景のもと生まれた。この頃、日本人の生活様式に洋の要素が急速に入ってくる。そのうちのひとつが安楽椅子だ。今ではリラックスチェアなどと呼ばれるが、当時の日本の椅子に無い心地良さを持つ反面、大変高価で一般家庭には手が届きにくかった。
　デザイナーの新居猛さんは、この海外からやってきた快適な椅子に対し、“座り心地を落とさず、とにかく安く、道具のように役に立つ”を信念に、多くの人に愛される日本独自の「カレーライスのような椅子づくり」を目指した。
　日本人のものづくりの強みをいかした、日本人のライフスタイルに沿う椅子として、どうしたら使う人に喜んでもらえるかを追求した。

　時代の変化やお客様の声に対応し改良を加え、ニーチェアエックスは進化を続けている。

　計算されたシートや肘かけの高さ、背もたれの角度や生地の特性などすべての相乗効果により生み出される、包み込まれるような座り心地。約一畳分の省スペースにくつろぎの空間が生まれる。
　畳・フローリングを問わず使えるよう、椅子の脚部分は滑らかな曲線を持たせ、面で圧力を受けることで床に跡がつきにくい作りとなっている。

　難なく手軽に折りたためて自立するので、隙間に収納することができる。たためば幅は約15cmになる。重量は約6.5kgと軽量で持ち運びに便利。日本製の倉敷帆布素材のシートは着脱してケアや交換ができる。

　シートにはからだ全体と椅子の構造を支えるため、強く、適度なしなやかさを持った素材である一級帆布の倉敷帆布を使用。1888年創業の工場でニーチェア専用の仕様を開発。細かい糸を数本重ねて撚りをかけ、丈夫な一本の糸を作り、座面に対し斜めに交差する綾織で仕上げた。これにより、一般的な帆布・キャンバス素材に比べて荷重による変形が少ない仕様となっている。表面には起毛加工を施し、肌触りが良く風合いがある。自然素材のため静電気が発生しにくいのも特徴だ。
　肘かけやパイプの曲げ加工などの組み立てにおいても、長年の実績と信頼のある国内工場で、日本の職人が人の手で細部の微調整を行って仕上げている。

　素材にドイツ産のビーチ材を使用。日本のブナ材（高級木材）に似ており、木目が均一で美しいのが特徴となっている。ナチュラルとダークブラウンの2色展開。

　ニーチェアは、シートが交換できる着脱式となっている。組み立ては簡単。シートとフレームを４本のボルトでつなぐだけ。必要な道具はプラスドライバーのみ。時間にして数分で完成する。

　Nychair（ニーチェア）のNY（ニー）は作者の姓とデンマーク語（新しい=英語New）に由来している。名付け親で監修の島崎信さんは、「よい椅子の条件として、
1、座りやすいこと。
2、丈夫なこと。
3、軽いこと。
4、価格が妥当なこと。
5、フォルムが美しいこと。
さらに、折りたたんだときの美しさや安定感があること。
ニーチェアエックスは、この6つの条件を全て兼ね備えた椅子」と評価する。

　ニーチェアエックスを生産・販売しているのは、創業70年の家具・インテリア総合商社の株式会社藤栄。品質管理を行っている近藤 清治さんは、製造に関して「とにかく気を使っています」とこだわりを語る。倉敷帆布の糸から原反の製造までの工程、原反を加工し椅子のシートにする工程、本体部品の製造工程、組み立て時の曲げ加工など仕上げの工程、それぞれで日本の職人が手仕事で細やかな微調整を行っているという。近藤さんは「機械を使う工程もありますが、最終的には職人感覚が物をいいます。工業製品というより工芸品に近いと思います」と丁寧な仕事ぶりを強調する。

　「生地は重要です」と語るのはマーケティング本部の加藤 勉さん。生地が椅子の構造の一部になっているので、座面のシートひとつで仕上がりが大きく左右される。最適なシート生地について、様々な化学繊維と天然繊維、産地は国内外を問わず素材を取り寄せて吟味。「人が座った時の座り心地はやっぱり綿。仕上げもさわり心地も色んな面から考えました」と加藤さん。ニーチェアにとって、日本で一番いいもの、いいメーカーを探してたどり着いたのが倉敷帆布だという。加藤さんは「細い糸を数本撚って強い糸を作り、座面に向かって斜めに縦２・横１の綾織で強度を高めています。ニーチェア独自の倉敷帆布です」と生地への強いこだわりを語る。
　椅子の脚部分のフレームにも手間ひまをかけている。マットな感じと手触りにこだわり、風合い豊かなヘアライン加工を採用。座った時の床へのダメージを減らすため、圧力を面で受けるようフレームに曲げ加工を行っている。品質管理の近藤さんは「どこ（の工場）でもできるわけではないです」と、日本の高い技術レベルが求められる加工を行っていると話す。

　製造工程で様々な職人が携わっているが、「彼らは使用者が見えています」と近藤さんは表現する。経験豊富な職人が多く、実際に使うお客様を想定しての微調整には日本人の繊細さ、丁寧さが反映されているという。「見た目以上に手をかけています」（加藤さん）

　近藤さんは「座り心地は本当にいいです。その人の形になるので、とにかく座って欲しい」と椅子の座り心地の良さを強調。さらに「ニーチェアエックス ロッキング」モデルについては自信の逸品だ。ロッキング・安楽椅子・折りたたみの３つの機能を兼ね備えた椅子は「世界中の椅子を見ても珍しいです」とこだわりの仕様に胸を張る。

　1970年に誕生したニーチェアエックス。ライフスタイルの変化とお客様の声を受けて、株式会社藤栄はニーチェアエックスの本質はそのままに改良を加え、グレードアップさせた。

より強くしなやかなシート素材へ
　より良い生地を国内外で探し、選りすぐって採用したのが倉敷帆布。昔から綿栽培が盛んな岡山県倉敷市で作られている素材だ。「1．職人が指を当て適度な張り具合を感覚で整えながら紡ぐ、高い糸撚り技術」「2．糸撚りから製織までを一貫生産し、職人の感覚と経験で小さなミスさえ逃さない、厳しい目」「3．丁寧な作業の繰り返しと、シャトル織機特有のセルヴィッジと呼ばれる美しい仕上がりの耳」の３つを、激動の時代変化の中でも変わること・変えることなく唯一無二の価値や技術を込めた布素材。
　強さとしなやかさ、堅牢さを備えた最高峰のシート素材だ。

シートの歪みを縫製で解決
　シートに頭をもたれたときに、生地がよれる・芯材が動くというユーザーの声を受け、縫製を改良することで問題を解決。シート上部の左右部分に、支柱に沿って縫製を施して固定し、生地の歪みを減らした。

椅子の作りの強化
　ニーチェアエックスのフレームとシートをつなぐ４つのボルト。この重要なパーツの素材を、従来のスチールからステンレスに変更することで強化した。

ボルトの差別化
　組み立てに使うボルトはプラスねじ、外してはいけないボルトを六角と、形状を分けることで誤って不要なボルトに触れてしまうことを避けられるよう、ボルトを区別している。

　2014年11月に創業70周年を迎えた、愛知県名古屋市に本社を構える家庭用品・家具・インテリア総合商社。理念は、「ライフスタイルの創造、提案を通じて人々のより豊かなくらしに貢献する」。独自のアイデアで機能性・デザイン性を付与し、あらゆる住空間で使用されるインテリア生活用品・家具を製造販売する。またインテリアに関して企業向けのコンサルティング・提案事業を行うなど、快適な空間作りのプロフェッショナル企業。

単品
モデルＡ　身長160cm、体重70kg     モデルＢ　身長170cm、体重60kg
モデルＣ　身長175cm、体重68kg     モデルＤ　身長179cm　体重95kg

オットマンとのセット
モデル　身長161cm

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