職場に着いたら、まずは革靴を脱いでサンダルやスリッパに履き替えるとホッとするものだが、そんなオフィス履きスリッパに目からウロコのアイデア商品がある。一見革靴に見えるのに履き心地はスリッパという「イーグリーン・ビジネススリッパ」だ。かかと部分がなく、スリッパの形をしているが、スラックスと合わせればまるできちっと革靴を履いているように見える。履いたまま来客に対応してもこれなら失礼には当らないだろう。
ありそうでなかった「ビジネススリッパ」を開発したのが神戸の靴の町、長田に本社があるラッキーベル社。主に児童用の上履きなどを生産しているが、「ビジネスマンがスーツに合わせやすい、男性向けのサンダルがあればいいのに」というニーズに目を付け、2006年に発売した「ビジネススリッパ」がロングセラーとなっている。実際、これに似た商品は、海外のホテルや自宅用に使われるルームシューズとして輸入品ではあったが、いずれも底がスエード製だったりと耐久性に乏しく、日本のビジネスシーンに対応するものではなかった。そこで、紳士靴の品格やスタイル、デザイン性を盛り込みながら、スリッパとしての機能性と快適性を追求した結果生まれたのが「ビジネススリッパ」だ。
ベースは紳士靴の木型。硬い先芯を装着したトゥボックスは形状の型崩れを防ぎ、甲部分はなだらかな曲線を描いて従来のスリッパにはないフィット感がある。また、かかとの周囲には横ズレを防止する「かかとピロー」機能をつけ、底分部もクッション性がよく歩きやすさを考えている。さらに、長時間に渡って履くことを考慮し、素材にヨウ素複合体配合衝撃吸収材の「ダイポルギープラスアイ」を使用。これは抗菌性が高く、白癬菌やその他の雑菌の増殖を抑制する働きもある。
「重量は片足200グラム以下と軽量化にこだわりました。スリッパの底は靴やサンダルと同じ仕様になっているのが特長で、近くへランチに出かけたり、ちょっと銀行やコンビニへ出かけても違和感はありません」と同社健康シューズ事業部営業の澤田みゆきさん。
デザインもウィングチップからローファー、スクエアタイプなどスーツの着こなしに合わせて選ぶことができる。
大人の雰囲気で高級感のあるビットタイプは、M~LLまで3サイズを用意。素材は手入れがラクな合成皮革を使用している。