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17歳からプロミュージシャンとして第一線で活躍されてきた日本を代表するギタリスト渡辺香津美さん。音楽活動46年目を迎えた今年、10月25日にリリースされた「TOKYO WANDERER」は、フルアコのジャズ・ギターを使用して、シンプルな編成のストリングス+αと共に<リラックス>した<癒し>のサウンドと空間を奏でる大人のアルバムに仕上がっています。
そんな渡辺さんに、音楽ととても関係性の深い「お酒」の話、音楽という自らの作品を人に伝える「音」に対するこだわり、そして「夜」という時間に対する想いについて語っていただいたスペシャルインタビューです。
さらには、産経ネットショップが紹介するお酒についても、渡辺さんに飲んでいただき、それぞれのお酒を飲みながら聴きたい曲を、特別にセレクトしていただきましたので、そちらも必読です!

音楽とお酒の素敵な関係

いい仕事をした後に、いいお酒が待っている。
それが毎日の楽しみでもある。

——日々、音楽と携わる渡辺さんにとって、お酒とはどのような存在ですか?

基本的にはお酒を飲むときは、仕事から離れるときですね。だから、自分のポリシーとしては、仕事の前には一滴も飲まない。あと、ライブや収録の前日も飲まないと決めています。これは若い頃から続けていることですが、これを守らないと自分のミュージシャンとしてのクオリティが維持できないと思うから。精一杯パフォーマンスは高めるよう、我慢するときは我慢して、その分、仕事をやりきった後は、自由に飲もうと決めています。家で飲むときは、大切にしているLPレコードをかけながら一杯やるのが好きですね。結構凝り性なので、刺し身を柵(さく)で買ってきて、ヅケにしたのをアテにしたりして飲むこともあります。そう思うと、僕の場合、お酒は、仕事をがんばった自分が、本当の意味でリラックスできるためのアイテムみたいなモノなのかもしれませんね。

——全国を飛び回る渡辺さん。結構、ツアーの打ち上げなど、音楽仲間ともよく飲まれる機会も多いのでは?

仲間との打ち上げは必ず行きますね。長いツアーを続けていく中でコミュニケーションも大切ですから。それと、僕自身、海鮮類が好きなので、ツアーで地方に行くとおいしい旬の魚とお酒も、大きな楽しみ。ミュージシャンってけっこうお酒好きが多いと思われますが、ミュージシャンよりも、照明や音響などスタッフの方がお酒に対しては貪欲ですね。今ではスマホで簡単に全国のおいしい店を見つけられますが、彼らは、まだインターネットがない時代からパソコン通信などの技術を使って、ツアー先でもパソコンを持ち込んでは、同業者からおいしい店の情報を仕入れていましたからね。まぁ、僕もそれにくっついて行ってましたけど。(笑)

年を重ねるにつれて、酒の嗜み方も、変わってきた。

——若い頃からお酒が好きだったという渡辺さん。年を重ねてからのお酒との関係の変化はありましたか?

弱くなったとかではないんですが、じっくり味わうようになったかな。若い頃は、単純に言えばコスパ重視で、それこそ、安くてみんなで飲めて早く酔えればいいと思っていましたね。泥酔することもあったかな。よく今までこうして健康でいられるなと自分でも思うくらい飲んでいました。(笑)最近凝っているのは、一皿ずつお酒を変えて飲むこと。たとえば、刺し身のときにはこのお酒、揚げ物だったらコレ、煮物だったらとコレと、料理ごとにぴったりなお酒を探すことが楽しい。ちょっとした大人の遊びですね。

産経ネットショップ、イチオシのお酒に、
それぞれあわせて聴きたい楽曲を
渡辺さんにセレクトしていただきました!

伊勢角屋麦酒
ペールエール
330ml

Stan Getz & Joao Gilberto
「So Danco Samba」
from
“Getz/Gillberto”
1964

Chick Corea
「Friends」
from
“Friends”
1978

国内のみならず、海外でも数多くの受賞経歴を持つ世界が認めた国内有数のブルワリー。その中でも看板ビールでもあるペールエールは、「伊勢角屋麦酒のペールエール」略して「伊勢ペ」とも呼ばれ愛飲されている。
クラフトビールも好んで飲む渡辺さんが、このビールにセレクトしたのがこの2曲。
「ビールは、やっぱり乾杯のイメージが強いお酒。乾杯の瞬間に合う曲を考えていたら、この2曲が頭に浮かびました。」

澤乃井
純米大吟醸
720ml

Bill Evans
「My Foolsh Heart」
from
“Waltz for Debby”
1961

渡辺香津美
「哀愁のヨーロッパ」
from
“TOKYO WONDERER”
2017 / WPCR-17910

すっきりした味わいが後を引く澤乃井の純米大吟醸。「これは、危険な味だね」と笑う渡辺さん。「日本酒って、けっこう内省的になれるお酒。『あの時、あぁしておけばどうなってたのかな』なんて、これまでの人生を振り返る時に、この2曲を聴きながらぜひ飲んでほしいですね。」

本格麦焼酎 O.Henry
750ml

Sergio Mendes
「Sambadouro」
from
“Brasileiro”
1992

渡辺香津美
「HAVANA」
from
“Esprit”
1996

玉扇酒造の本格麦焼酎「O.Henry」は、国産麦を100%使用し、奥能登の杜氏が熟練の技で仕込んだ麦焼酎を1年目はオーク樽で熟成させ、さらに14年以上もホーロー樽にて熟成したもの。「水割りでもおいしいけど、生(き)でいきたくなるお酒だね」と渡辺さん。セレクトした2曲については、「焼酎って、みんなでワイワイ楽しめるお酒だと思うんですよね。そんな場がより盛り上がるような曲を選びました」

ザ・ピート・モンスター
コンパスボックス
ブレンデッドモルト・ウイスキー

John Coltrane
「Lush Life」
from
“Lush Life”
1961

渡辺香津美
「What are you doing
the rest of your life」
from
“TOKYO WONDERER”
2017 / WPCR-17910

複雑な味わいが魅力の「ザ・ビートモンスター」は、アイラ島、マル島、東ハイランドの4つの蒸溜所で造られたピーテッド原酒を組み合わせたモルト原酒100%のブレンデッド・モルトウイスキー。渡辺さん曰く、ウイスキーのイメージはまさにジャズなのだとか。「僕が初めてジャズを聴いて憧れたときから、ジャズは大人のイメージ。ウイスキーとタバコとちょっと頑固なバーのマスターがひとつの風景として浮かびます。ぜひこの曲を聴きながら、大人の世界に浸ってほしいですね」

ジャケ買いならぬラベル買い。
お酒を「顔」で選ぶのも
ひとつの出会いなのかもしれません。

こちらからもどうぞ

器にこだわって更においしく。

渡辺さんがこの日、O・henryを飲まれていたのが、このロックグラス。
熟練の技を持つ職人が一つずつ手づくりで仕上げたもので、重厚感のあるダイナミックなデザインが特徴。「表情を映し出す」と例えられるほどの輝きが魅力のチタンコートのロックグラスは、注がれたお酒は内側のミラーに映し出され、視覚的にも職人の技を楽しむことができ、薄く仕上げられた飲み口の質感は、ウイスキーをロックで飲まれる方にもおすすめです。
うれしい「生涯補償」付きで、まさに生涯をこれから添い遂げるグラスです。

ドリンクをおいしく包み込んでくるかのような“まゆ”のようなフォルムが特徴のステンレス製グラスは、漆塗と金属加工の技がコラボレーションした逸品。
ステンレスの1枚の板を回転させながら“へら”という棒を押し当てて少しずつ変形させる“へら絞り”と呼ばれる加工で成形。そして鏡面研磨を行い、暗赤色の漆の上に半透明の漆をかける“溜塗”で仕上げます。受注後の生産のため、お届けに約1ヶ月半程度お時間を頂戴しますが、きっとお待ちしていただく以上の価値を感じていただけることでしょう。

音に対する想い、こだわりについて。

ギターは曲の表情をつくるもの。
同じ曲でもギターひとつでまったく変わるのが面白い。

——これまでに多くの楽曲をリリースされてきた渡辺さん。曲作りにあたって、“音”に対して意識されていることは?

ギターも種類は色々あるんですが、大きくは、アコースティックとエレクトリックに分かれていて、アコースティックは、自分に語りかける傾向がある楽器。一方、エレクトリックは、外に向けてメッセージを発信するような楽器かなと思っています。曲の持ち味に合わせてギターをどれにしようか考えるんですが、ギターを選ぶことは、表情を選ぶことでもあって、面白いですよ。同じ曲でもギターが変わると、まったく変わるんで、いくつか試しながら決めていくのも、曲作りの過程での楽しみです。

——ギターのコレクションも、さぞかし多いのでは?

そうですね。多い時にはギターを80本以上持っていたこともあったんですが、とにかく管理するのが大変で。常時使うものって、おそらく20本くらいだと思うんですが、年に1度くらいしか使わないものでもやっぱり昔から使ってきた愛着があるから捨てられない。ライブでは使わないけど、レコーディングでは重宝するギターもあったり、それぞれ良さがあるから難しい。一度、決心して手放したギターでも、後になって『あぁ、やっぱりそばに置いておきたい』っていう気持ちになって。結局、探して同じものを手に入れたりしています。ほんと困ったもんです。(笑)

先人たちへのリスペクトがある楽器や周辺機器を大切にしていきたい。

——ギターのみならず、その周辺環境まで含めて『音』の大切な要素。音を届ける立場としてどういったことを大切にされていますか。

昔はまったく興味のなかったヴィンテージギターやアンプまで興味を持ち始めたので、『いよいよヤバイな。』と。(笑)それは冗談ですけど、音を届ける上で大切にしているのは、やっぱり自分らしい音になっているかどうかですね。すごくいい楽器だけど、自分の演奏する環境には合っていないこともあるし。これは弾く側のみぞわかる感覚かもしれないけど。今回のアルバムでも、先人たちが作ってきたことは「やっぱりスゴイな!」と再認識しましたが、楽器や音響システムについてもそれは同じで、中身は最新鋭であっても、昔からの良さをきちんと継承されている機器が好きですね。

あたかも目の前で演奏してくれているかのような、繊細で豊かな音色はそのまま、コンパクトで使いやすいエムズシステム社のアンプ内蔵スピーカー。 今回のインタビューでは、渡辺さんにセレクトしていただいた楽曲を、実際にこのスピーカーで流させていただきながらインタビューさせていただくという、とても贅沢なひとときとなりました。渡辺さんもよく行かれる飲食店でサウンドシステムとして導入されているのを見て、注目していたそう。「音が直線的ではなく、場を包むような音がいいですね。400名くらいのキャバでも使えるもう少し大きなスピーカーがあると聞いたので、それもコンサートで試してみたいですね」

夜という時間の世界

オフタイムだったり、ライブする時間だったり、
僕の夜は多彩な時間です。

——ミュージシャンは夜型のイメージも多いですが、渡辺さんはいかがですか?

ミュージシャンの間では、深夜帯はまさに“創作のゴールデンタイム”と呼ばれていますが、僕は若い頃から、夜を狙って創作活動をしたことはなくて、むしろ、朝方のほうが、はかどるタイプだと思います。もちろん、アルバムの締め切りに追われて夜に作曲やレコーディングをする場合もありますが。夜は、やっぱりみなさんと一緒でお酒を愉しみたいじゃないですか。(笑)

——となると、渡辺さんにとって、夜はオフタイムの時間ですか?

そうですね。朝から仕事して、昼はギターの練習をして、夜は飲んで早く寝るのが理想。あ、寝る時に最近好んで聴いているのは、川や波の音などの環境音楽。というのも、職業柄、音楽を聴きながら寝ると、音や演奏が気になって仕方ないので。(笑)一方、ツアーが始まったら、夜の時間はライブをしている真っ最中。ライブをいい状態でおこないたいので、夜に自分のピークを持っていけるように時間の使い方も変わりますね。それこそ、ツアー前におこなうリハーサルも、実際のライブが始まる時間と合わせます。

やってきたことが実を結んでいくから、
人生は面白い。

「自分を育てる」という意識が大切。
つまり、実体験をどれだけ重ねるか。

——今回のアルバム「TOKYO WANDERER」を制作されたことを振り返って。

ジャズのナンバーもあれば、ジャズ以外の曲も積極的に取り入れました。ここに収めた楽曲は、それこそジャンルも時代も違うんだけど、アルバムを通して聴いていただくと1本の映画のようにつながっている。そんなアルバムを目指しました。改めてアルバムになって聴いて気づいたことは、『あぁ、僕はずっと音楽を聴きながら彷徨ってきたんだな』と。そんな想いも込めて、「TOKYO WANDERER」と名付けました。

——アルバムを制作するにあたって、意識されたことは?

最近、自分の年齢も考えて、あと10年は頑張ろうと考えたときに、『音楽をどう作るかも大切だけど、どう伝えていくか』ということを意識しましたね。今回のアルバムも、自分が20代の頃から好きだったギタリストの演奏の仕方を受け継ぐものだと思って、意識的に使って演奏しました。若い頃だと、真似することは避けていたことかもしれないけど、ギターミュージックという大きな木があったとするなら、やっぱり僕もその枝葉のひとつととらえたときに、きちんと受け継いで伝えていくことが、この木を育てていくことにつながるのではと思ったんです。

——ずばり、渡辺香津美さんが考える「人生の楽しみ方のコツ」とは?

ある程度、年を重ねていくと、これまでやってきたことが実を結んでいく瞬間って、やっぱり面白いですよね。仕事にも責任が出てきて、その分大変ではあるけどやりがいもあって・・・みたいな。そして、古いモノの良さもわかるし、新しいモノを取り入れる意欲もある。ある意味、年を重ねると欲張りになっていく。(笑)でも、今のように何でも情報が入ってくる時代だからこそ、切り捨てることも大切だったりする。八方美人もいいけど、時には、ビシっと切り捨てるものは切り捨てる。そんな勇気があるかないかで、年の重ね方も変わってくる気がします。あと、常に『自分磨き』を忘れちゃ駄目。わかった気にならないで、いいものとたくさん出会って、いいものを食べて、それこそ、いいお酒も飲んでほしい。何よりも、自分の手でとって、自分の目や耳できちんと確かめてほしい。やっぱり、本物に触れることが、一番『自分を育てること』になっていきますから。

渡辺香津美
(ギタリスト・コンポーザー・プロデューサー)
1953年東京都渋谷区生まれ。血液型A型。
名実ともに日本が世界に誇るトップ・ジャズ・ギタリスト。17歳で衝撃のアルバムデビュー。驚異の天才ギタリスト出現と騒がれて以来45年にわたり、常に最先端インストゥルメンタル・ミュージックを創造し第一線で活躍。その速いテンポで繰り出される魅惑のアドリブと芳醇な旋律、演奏技術を緻密に組み合わせることで、音の一つ一つに豊かな表現力を含ませ、独自の<カズミサウンド>を創り出すことでも定評がある、まさしくワン・アンド・オンリーの存在。

渡辺香津美 「TOKYO WANDERER」

東京に生まれ時代を共にするギタリストが、極上のストリングスと織りなす、懐かしさと親密な冒険のタペストリー!
書き下ろし曲をはじめ、本人が愛聴し広く親しまれる世界のスタンダード、ポピュラ・ナンバーをフルアコのジャズ・ギターを使用して、シンプルな編成のストリングス+α(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス etc)と共に<リラックス>した<癒し>のサウンドと空間を奏でる大人のアルバムです。

2017.10.25 発売
3,024円(税込)
WPCR-17910

【渡辺香津美公式サイト】www.kazumiwatanabe.net

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